平成15年(2003年)2月10日

 

旧岡崎邸・池内邸調査にご協力・ご支援下さった皆様

 

旧岡崎邸・池内邸の調査におきましては、ご協力ありがとうございました。

お陰さまで調査報告書が出来上がりましたので、お届け致します。

 

旧岡崎邸においても池内邸においても解体修理をしない限り、判断し難い点が多くあり、痒いところに手が届かない感じのする部分も残る報告書ではありますが、時間と費用の許す範囲で可能であった調査報告書とご理解いただければ幸いです。殊に、旧岡崎邸についてはその創建者である岡崎平内一家の人物像を明らかにし、それとの関係で旧岡崎邸の建設経緯に関する推論を立て得たこと、池内邸が実は江戸時代の町家を一部活用した建物である点を明らかにし得た点は特筆に値するものと存じます。とは言え、不十分な点も多々あるものと存じます。忌憚の無いご批判をいただきたくよろしくお願い申し上げます。

 

これら歴史的な文化財を保存するには活用に関する提案が必要と存じ、そのための提案、旧岡崎邸の史跡指定、池内邸の登録文化財、を致しております。

久松山を中心とする連山の麓、天徳寺から観音院、更には吉村邸に至るまでの一帯には既に国の史跡として指定されている城址に加え、国の重要文化財に指定されている仁風閣と樗谿神社東照宮、国の名勝に指定されている観音院、国の登録文化財となっている吉村邸の他、各々由緒の正しい神社や寺院を数多く有するのに加えて水道事業、電気事業等の発祥の地でもあり、鳥取市の人々の生活を支えて来た古人の工夫が集積しています。旧岡崎邸・池内邸は、これらの歴史的遺産と関連づけて保存・活用されるなら、この地帯一帯を歴史的価値の高い散策路として再整備することが可能となり、鳥取観光の目玉の一つを形成し得るものと期待されます。

この点についても皆様の率直な意見をいただきたくお願い申し上げます。

 

 

旧岡崎邸・池内邸調査チーム 委員長 

鳥取環境大学 環境デザイン学科 教授 渡辺 一正