設立趣意
市民文化財ネットワーク鳥取は、鳥取地域の生活文化を豊かにし、鳥取地域住民が「豊かさ」を実感できる環境を整えるべく各種の活動を行なおうとするものである。

地域生活文化振興の基本的な考え方

地域生活文化は、地域の自然環境の中で人々が培ってきた生活の中に生まれるものである以上、その振興は自然環境、歴史文化の尊重なしにはあり得ない。従って、人々が地域の自然並びに歴史に親しむ環境を整備する必要がある。

また、地域生活文化は、住民の肉体的並びに精神的な健康の上に育まれるものであるので、その振興は地域住民の健康の増進なしには達成され得ない。人々の健康は、自然な環境に適合した健全な住宅・建築・集落・都市の中で保持されるので、住宅・建築・集落・都市を常に自然な環境に適合した健全なものとして維持する必要がある。

豊かさは自然環境を前提として社会・経済、歴史・文化、建築・都市環境などと密接な関係をもっており、しかも常に相対的・動的であり、次第に向上している実感が必要である。このためには自然環境を前提として社会・経済、歴史・文化、建築・都市環境の有機的な関係を維持すべく常に研究され、生活条件が次第に改良される環境の整備が必要である。

鳥取に見られる問題点

  • 自然の恵みを十分に活用していない
  • 自然条件、殊に冬季の天候の悪さを憂えているが、世界にはもっと厳しい気候条件の都市が幾らでも存在することを忘れている
  • 温泉が豊富にあるが、その活用が不十分である
  • 長い美しい海岸線を持つが活用されていない
  • 周囲を囲む山々は大変美しいが、その美しさを活用していない
  • 歴史文化を現在の生活に活かしていない
  • 古い住宅・建築を取り壊し、貧弱な現代風住宅・建築に建替えている例が多い
  • 古い町並みを活かすことなく新しい住宅地を建設し、都市のドーナツ現象を生み出している
  • 多くの古墳など古代遺産を持つが、それらを活かしていない
  • 華道・茶道・音楽・美術・スポーツ活動は、その何れも実生活に活かされていない
  • 建築や日常生活に必要な道具の製造を地域の大工や工芸家に依頼せずに工業製品の購入に頼っている度合いが高い
  • 日常の衣食住に直接関係する文化が軽んじられ、地域の郷土衣装・料理・住宅・建築・町並みが無造作に捨て去られている

具体的な活動

市民文化財ネットワーク鳥取は、

  1. 地域の自然環境の実態並びに変遷を常に調査・観察し、それに適した生活文化の振興を促す
  2. 地域の歴史と生活の変遷を常に調査・観察し、地域生活文化の一層の振興を促す
  3. 自然環境の保存、歴史環境の保存・活用のための各種の活動(調査・研究・提案)を行なう

地域環境・既存資産の保持並びにその文化的な活用のための各種の活動を行ない、必要に応じてある地域・建物を購入し、その文化的活用を行ない、地域生活文化の一層の振興を促す。
鳥取には既に多くの文化団体・スポーツ団体が存在するが、それらの活動と地域住民の生活との関係を緊密にし、それらの活動と生活文化の相乗的な振興を促す。
地域の特性に適した衣装・料理・住宅・建築・町並みをつくり出すべく調査・研究・提案を行なうと共に必要に応じて事業を実施する。
これらの活動並びに事業実施に必要な人材を育成ないしは育成を促す。